【行政書士の行政法】勉強法は過去問と記述問題集を解くだけ!

行政書士試験の行政法

行政書士試験合格のカギを握る「行政法」について、配点・勉強方法・過去問を解く際のポイント・記述式対策などを紹介しています。

行政法は民法と違い、条文や判例の内容を「そのまま」聞いてくる問題の割合が多いです。また、試験全体から見た問題数が圧倒的に多いので、過去問の数も必然的に多くなります。

上記の理由から、行政書士試験における行政法対策として、過去問を繰り返し解くことの重要性は非常に高いといえます。行政法だけに関して言えば、過去問を解いていれば合格に必要な点数は獲得できると言っても過言ではありません。

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勉強前に読みたい1冊

行政書士試験は「60点」で合格できる試験です。行政法・民法・憲法・商法・会社法・一般知識と試験範囲は広いですが、全てを完璧に覚える必要はありません。試験勉強を始める前に「どうすれば試験に合格するのか?」「効率的に勉強する為には何を勉強すればいいのか?」など、手当たり次第に勉強するのではなく、ある程度の目印を見つけて勉強することが効率よく合格する近道です。

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行政書士「行政法」の配点

行政書士試験における行政法の得点は、5肢択一式・多肢選択式・記述式の合計で「112点」もあります。行政書士試験は「300点満点」の試験ですから、行政法は全体の「37.3%」を占める超重要科目です。

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極端に言えば、行政法で満点をとれば、一般知識の足切り回避の6問(24点)と足して「136点」になります。行政法満点は言い過ぎとしても、民法と違い行政法の試験問題は暗記さえしていれば解ける問題が多いので、満点に近い点数をとることも決して難しくありません。

【行政法の問題数と配点】

全体行政法
5肢択一式40問19問
多肢選択式3問2問
記述式3問1問
一般知識14問
合計問題数60問22問
合計点数300点112点

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行政法の勉強方法

行政法全体を通した勉強の流れは、条文と判例を順番に覚えることがスタートラインです。次に、単元ごとに過去問を解き、解説とテキストを見ながら間違えた所を理解できるように復習します。おおまかに言えば、行政法はこの2つを繰り返し行うことで理解度を上げ、正解への精度を高めていく勉強の方法になります。以下はテーマごとの勉強ポイントです。

行政法総論

行政作用法分野や行政組織法分野を中心に、過去の試験問題で出た内容をキチンと理解していきます。判例はそれほど多くないので、条文暗記中心の勉強スタイルになります。

行政手続法・行政不服審査法

行政手続法と行政不服審査法には判例はほとんど無く、条文暗記がメインになります。覚える条文の数が多いので最初は混乱すると思いますが、勉強を進めて行くうちに覚えた知識が次第に整理されて行くので、根気強く条文暗記と過去問での理解度促進を繰り返してください。

行政事件訴訟法・国家賠償法

行政事件訴訟法は条文暗記も判例暗記も両方必要な分野です。条文暗記は過去問を中心に繰り返し勉強すれば自然と身に付きます。判例に関しても、同じ判例が過去の試験で繰り返し出題されている事が多く、重要判例さえキッチリおさえておけば、それほど難しくはありません。また、行政事件訴訟法は記述式の問題で出題されることが多いので、行政法の中でも特に力を入れて勉強する事をお勧めします。

国家賠償法は1条と2条の問題が多く、どちらも判例に関して聞いてくる問題がほとんどです。こちらも行政事件訴訟法と同じく重要判例が繰り返し出題されていますので、過去問を中心に勉強していくスタンスでクリアできます。

地方自治法

地方自治は勉強をあまりしないという人も多い分野ですが、例年5肢択一式で3問~4問は出題されています。ですから地方自治法も重要論点を中心に勉強することをお勧めします。判例問題はほとんど無く、条文暗記で正解できますので、「住民の権利・義務」や「地方公共団体の機関(組織)」を中心に勉強をしてみて下さい。

行政法は似ている条文が多いので注意!

行政法を勉強していくと、「似たような条文」がいくつか登場してきます。行政手続法と行政不服審査法で似ている条文と、行政不服審査法と行政事件訴訟法で似ている条文があります。

似ている条文の例を以下でご紹介しますが、勉強する際は違いを明確に覚える必要があります。なぜなら、似たような条文がある単元は、本試験で両方の条文を区別できていなければ正解できないような問題が出題されるからです。

行政手続法と行政不服審査法

行政手続法の「聴聞手続」と、行政不服審査法の「審査請求」の所では、似たような語句や仕組みが多く登場します。

例えば、手続法の聴聞手続を進行する人である「主宰者」は、処分に関与した者も「なれる」のに対して、不服審査法の審査請求を進行する人である「審理員」は、処分に関与した者は「なれない」となっています。

本試験では、これを逆にした問題が考えられ、「不利益処分に関与した者は主催者になれない」とあれば誤りの選択肢になりますし、「処分に関与した者も審理員になれる」とあれば、こちらも誤りの選択肢という事になります。

行政不服審査法と行政事件訴訟法

行政不服審査法と行政事件訴訟法のどちらにも「執行停止」という制度があります。しかし、不服審査法の執行停止は審査庁が「職権で行える場合がある」のに対して、事件訴訟法の執行停止は裁判所が「職権で行えない」となっています。

本試験の取消訴訟に関する問題で、「裁判所は職権で執行停止ができる」とあれば誤りの選択肢になるので注意が必要です。

行政法の過去問が重要な理由

行政書士試験における行政法においては、過去問を繰り返し解く事は非常に重要です。その理由として以下の2点があります。

①問題数が多いので、過去問を解いていれば合格に必要な力が身に付く
行政法は、5肢択一式の問題だけで例年19問出題されます。1問あたり5つの選択肢がありますので「19問×5つの選択肢」で、1年あたり「95個の選択肢」があることになります。これが過去問10年分ありますので、95の選択肢×10年で「950個の選択肢」を勉強することができます。この「950」の選択肢1つ1つを、過去問を解きながら最終的に「しっかり理解」していれば、試験の合格に必要な知識は高いレベルで身に付きます。

②条文知識や判例知識がそのまま出題される問題が多い
行政法の問題の傾向として、条文や判例を暗記さえしていれば正解できる問題が多いという傾向があります。必然的に、過去に出題された問題と同じような問題が本試験では多く出題されます。ですから、行政法に関しては、過去問をしっかり理解できていれば、多少選択肢を変えて問題が出題されても正解できる問題が多くなります。

過去問は何回ぐらい解けばいいのか?

行政書士試験の過去問は何回ぐらい解くのがいいのでしょうか?もちろん個人差はありますが、行政法の過去問については、「最低5回」は解くことをお勧めします。(私は10回程度は解きました)知識の定着や、似たような条文をハッキリと整理して覚える為には、やはりこれぐらいの回数は必要だと思います。

過去問を解く時のポイント

過去問を解く時のポイントは、「問題ごとではなく選択肢ごとを意識する」です。例えば、正しい選択肢を選べという問題であれば、5肢のうち正しい選択肢され分かれば問題には正解できます。(残り4つの選択肢が分かっていなくても、問題には正解できます)

過去問を解く時は、上記のように問題に正解したかどうかではなく、1問あたり「5肢ある選択肢の全て」をテキストや解説を参考に正しく理解できるように勉強していきましょう。

例えば、誤りの選択肢について、一部分を変えれば正しい選択肢に変わるような問題もあります。「ここを変えれば正しい選択肢になるな~」と考えながら問題を見る事ができれば、その部分については正しく理解できているということです。これができるレベルになるまで過去問は繰り返し解く事が重要です。

行政法「記述式」の勉強方法

行政法の記述式は本試験で1問(20点)出題されます。記述式問題は完全に正解しなくても、「部分点」がもらえる問題です。だいたい「3つのキーワード」をつなげて「40文字程度」の文章を書かせるような問題になります。

記述式問題の例題

Xは、Y県内で開発行為を行うことを計画し、Y県知事に都市計画法に基づく開発許可を申請した。しかし、知事は、この開発行為によりがけ崩れの危険があるなど、同法所定の許可要件を充たさないとして、申請を拒否する処分をした。これを不服としたXは、Y県開発審査会に審査請求をしたが、同審査会も拒否処分を妥当として審査請求を棄却する裁決をした。このため、Xは、申請拒否処分と棄却裁決の両方につき取消訴訟を提起した。このうち、裁決取消訴訟の被告はどこか。また、こうした裁決取消訴訟においては、一般に、どのような主張が許されこうした原則を何と呼ぶか40文字程度で記述しなさい。

上記の問題であれば、問われている3つのキーワードは以下の通りになります。
裁決取消訴訟の被告はどこか:「被告はY県」
一般にどのような主張が許され:「裁決固有の瑕疵のみが主張できる」
こうした原則を何と呼ぶか:「原処分主義」

このように、問題を読んだ時に、何の話かを読み解いて、次に3つのキーワードを頭に浮かべて文章をまとめることができれば点数がもらえます。3つのキーワードの内、1つでも書くことができれば「部分点」がもらえるという問題形式です。

過去問を解いて記述式問題の対策をする

記述式問題の対策として、過去問を解く方法があります。過去問と言っても、記述式問題の過去問ではありません。(記述式問題では過去問と同じ問題はでないからです)

過去問を解くというのは、5肢択一式の過去問の事です。過去に出題された5肢択一式問題の中の1つの選択肢の内容が、別の年度の記述式問題で似たような内容で出題される事があるからです。

ですから、上記で説明した過去問を解く時のポイントにあるように、1つ1つの選択肢をしっかり理解するように過去問を解いていれば、記述式問題で似たような内容を聞く問題が出題された時に役立ちます。

記述式問題集で記述問題の対策をする

もう1つの記述式問題の対策として、記述式問題集を解くという方法もあります。以下のテキストは、資格スクール大手の「LEC東京リーガルマインド」が出版している記述式問題集です。

過去問ではなく、記述式で出題されそうな重要分野の内容を「LEC」が予想して作っている問題集です。行政法だけでなく、民法の記述問題も掲載していますし、憲法と行政法の多肢選択式問題も掲載されています。

この問題集は重要論点を凝縮していますので、記述式対策はもちろん、内容を理解することで5肢択一式の問題で似たような内容が出題された場合にも役立ちます。

まとめ

行政法に関しては、過去問を日頃からキッチリ解くクセを付けてください。1つ1つの選択肢の内容をしっかり理解するように取り組み、過去問を5回程度繰り返して解いていく内に、だんだんと知識の精度が上がっていきます。後は記述対策で問題集を解いていけば、行政書士試験合格ラインに必要な行政法での得点はそれほど難しい事ではないと思います。

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